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~自己プロデュースの達人~
権力と情報を利用、自己プロデュース力に優れた演出家音楽だけでないベートーヴェンの天才的一面が明らかに!
商品コード
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GTB01084798 |
発売日
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2009年9月16日 |
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仕様
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四六判縦/280ページ | ||
商品構成
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書籍 | ||
JANコード
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4947817218784 |
ISBNコード
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9784636847987 |
著者
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石井清司 |
■■内容 | ||
第1章 新時代の予感~天才の誕生~ ・音楽一家“第二のモーツァルト”の夢 ・境界の時代の都市と宮廷 ・一一歳、ネーフェ師との出会い 第2章 運命の始まり~ライン河畔、ボン~ ・西欧経済の動脈、ラインの威容 ・専制君主から啓蒙君主へ ・宮廷から芽ぶき始めた新古典派、ロマン派 ・優しい祖父と暴君の父 第3章 師ネーフェ~学んだのは音楽だけではなかった~ ・四歳で音楽に目覚める? ・父が仕組んだ六歳のデビュー ・ヒューマニストに学んだ音楽と思想 ・哲学の師でもあったネーフェ 第4章 少年から若者へ~形成される作曲家~ ・弾丸のような風貌の暗い少年 ・母との旅、祖父との別れ ・多忙なオルガン助手で一家を支える 第5章 ・孤独と自由~ボン時代~ ・大ハプスブルク帝国の威光 ・ベンチャーの街で受けた大抜擢 ・師の焦燥、ついて回る「貧困」 ・父の暴力と母の過保護 第6章 モーツァルト ・~ふたりの座標軸~モーツァルトを愛した選帝侯 ・幻に終わったボンの出会い ・“フリーの演奏家”独立する天才ふたり ・モーツァルトとのウィーンでの出会い ・両雄の出会いを演出した伯爵夫人 第7章 新しい波~“自由、平等、博愛”の魔力~ ・“最大多数の最大幸福” ・自然礼讃、個人讃美の一大思潮 ・音楽こそ欧州大陸の共通語 ・ワルトシュタイン伯とブロイニング未亡人 ・ボン大学に渦巻く熱気 第8章 “パパ”を慕って~ウィーンのハイドン~ ・父からの独立 ・情愛あふれる人柄と音楽 ・心酔するパパ・ハイドンと共演 ・終生の宝物、ハイドンの遺品 ・革命の風波の中、ウィーン行きの光 |
第9章 ウィーンへ~サロンの異才、頭角を現す~ ・リヒノフスキー侯爵の篤い庇護 ・財布の中身と父の訃報と ・古典派完成者にしてロマン派草創者 ・師の不遇と故郷への貢献 第10章 師への造反 ・鬼の居ぬ間 ・三人のウィーン貴族の力添え ・サリエリ、シェンクへの接近 ・対位法の大家に作曲を学ぶ ・ボン選帝侯との間に亀裂 ・ロマン・ロランの魂を救う 第11章 自由の旗の下~交響曲第三番《英雄》~ ・一九世紀市民社会精神の体現者 ・名実ともにフリーに ・民族オペラへの傾倒と師たち ・ブルク劇場で大成功デビュー ・英雄讃美が一転野心家嫌悪へ 第12章 意外な商才と後援者たち~巧みだった自己プロデュース~ ・貴族殺し? ・もうひとつの顔 ・ベストセラー作家の特別献呈本 ・秘められた不思議な力 ・職人=ピアニストとしての才 ・メーカー、メディアとも交流成功 第13章 作品献呈事件~ハイドンとの和解~ ・新世代のフリー作曲家 ・楽譜出版業者との丁々発止 ・「出版しないほうがいい」と師の一言 ・リヒノフスキー侯と仕掛けた一件落着劇 ・喝采と思惑と 第14章 運命への扉~ドゥシェク夫人慕情~ ・一七九五年、出発の年 ・演奏家、ピアノ曲作曲家を超えて ・交響曲作曲へ航海開始 ・音楽の古都プラハを目指す ・すべてを持つ人ドゥシェク夫人 第15章 仕掛人の顔~東欧“販促”大旅行~ ・プラハでの恍惚の日々 ・二ヵ月の滞在延長で味わったもの ・ドレスデン、ライプツィヒ、ベルリン ・販促旅行の成功と難聴 第16章 愛国という病い~オーストリア軍歌事件~ ・交響曲の前に室内楽を征圧 ・ドイツ病に揺れる若き巨匠 ・「われら大ドイツ民族」融合と相克と ・ナポレオン軍迫り愛国の街と化す ・「革新は彼の心もまた征服した」 |
第17章 聞こえない~隠し通した二年間~ ・大指揮者の“さらい”、棋聖の“よみ” ・耳の奥と心の底の重さに耐えて ・遺伝か疾患か、まさに諸説紛々 ・親友ヴェーゲラーへの告白 第18章 不滅の恋人~創造の源泉、不器用な恋~ ・「幼児キリストの目の輝き」のごとく ・《月光》ソナタを捧げられた女性 ・見えない本命とのちの重要人物 ・自己主催の演奏会という事件 ・一九世紀の市民音楽家の誕生 第19章 懊悩と充実~ハイリゲンシュタットの遺書~ ・大衆に呼びかけた交響曲第一番 ・オペラへの挑戦と《月光》ソナタ誕生 ・ついに難聴を告白、療養生活へ ・私の死後、私と仲直りしてくれ ・遺書? ・未来への宣言? 第20章 市民の旗手~《クロイツェル・ソナタ》~ ・“出版したい作曲家”の地位を得る ・「僕は創造主をのろう」――耳疾進行 ・市場原理も働く市民音楽の時代 ・「引き受け切れないほど注文はある」 ・シカネーダー支配人による厚遇 ・「彼の不幸を利用した運命」の苦悶 第21章 未来を謳う~ナポレオンへの愛憎~ ・難聴がもたらした孤独と純情 ・「彼は無限の自由に加担していた」 ・クロイツェルが伝えた英雄の姿 ・“精神の神、エロイカ”の夢と挫折 ・人類の未来を音楽で描ききる ・現実を生きる信念の結実=作品 第22章 恋と大作~オペラ《フィデリオ》~ ・弟子たち ・エレオノーレ、そしてヨゼフィーネ ・“ベートーヴェン哲学”への道程 ・政治と文化の昇華として ・二大劇場の「革命オペラ」争い ・第一稿も改作も失敗に終わる 第23章 落日の時~時代の逆風と難聴~ ・新時代のコンテンツ・メーカー ・絶頂の人生中期と不滅の恋人 ・一転、「生涯のうち、最もみじめ」 ・ナポレオン退位、反動時代へ逆行 ・当局に監視される危険分子 ・ロンドン亡命も阻止されて 第24章 永遠の別れ~それは喜劇だったか~ ・市民派音楽家の旺盛な活動 ・テプリツェで出会った人々 ・インフレと戦うフリー作家の処世術 ・シューベルトが共有した時と心 ・反動の時代、空白の六年間 ・処世は“時流”表現は“歴史” ・苦悩と内向の時代を生きる才能 ・《第九》完成から三年後、巨星墜つ |