■ 極東・中東のラスト・ツアー・2014、クラプトン、最後のライヴ伝説!
最後のジャパン・ツアーのライヴを収録した、エリックの最後の極東・中東ツアーのライヴ&ドキュメント映像完成!
40年にわたる
200回以上行われた日本公演の名演は、ラスト・ジャパン・ツアーで新たな伝説を生んだ!
■ クラプトンの歴史はライヴの歴史
クラプトンのデビューは1964年の
ヤードバーズのギタリストとして、彼等のデビュー・アルバムはライヴ・アルバム『ファイヴ・ライヴ・ヤードバーズ』であった。また未成熟なプレイではありながらも、その後の成長を予感させるようなスタイルを確立する過程ではあるが、ブリティッシュ・ブルース・ブームの幕開けとなったエネルギッシュな演奏を聴かせてくれる名盤。これはライヴでこそ本領を発揮し、長い間ツアーを続けることとなる布石であったのかもしれない。
彼の人気と評価が決定的となったのは、1966年にデビューした
クリームのライヴ演奏である。スタジオ盤のヒットもあったが、ライヴにおけるインプロヴィゼーションは、スタジオ録音で3分の曲が、
ジャック・ブルースと
ジンジャー・ベイカーとの白熱したプレイで10~20分にもなり、その
圧倒的なバトルが話題を呼んだ。またそのライヴ・ヴァージョンは『クリームの素晴らしき世界(WHEELS OF FIRE)』や『グッバイ・クリーム』に収録、世界的人気となり、多くのロック・ミュージシャンに多大な影響を与えた。またDVD発売されている解散コンサート『フェアウェル・コンサート』は日本でもテレビ放送され、動くクラプトンのギター・プレイを初めて目の当たりにしたロック・ファンを圧倒した。
その後も米国のミュージシャンに傾倒し音楽的に変化をしながらも、ライヴに名演を披露、
デレク&ザ・ドミノスの『イン・コンサート』や『EC・ワズ・ヒア』等、数々の名ライヴ作品をリリース。さらに『バングラ・デショ・コンサート』や『レインボー・コンサート』等、メモリアルなライヴ作品も次々リリースしている。また
『アンプラグド』もTVショーとはいえライヴ作品、世界的大ヒットは20年以上経った今も記憶に新しい。そしてその輝かしい
50年のライヴ・ヒストリーを締めくくる作品が
『プレーンズ・トレインズ・アンド・エリック』である。
■ 初来日から40年!20回の来日と200回公演達成!
クラプトンが初来日を果たしたのは、
1974年。やっと海外のアーティストの来日が定着し始めた頃である。当時は
「ギターの神様、Clapton Is God」なんていう呼ばれ方をした時代であった。そのクラプトンが来日しただけでも信じられない出来事であった。そのクラプトンはほぼ一年おきにコンスタントに
40年で20回もの来日、200公演を超えるライヴを行うことになるなんて、夢にも見ることはなかった。
その中で
日本武道館公演はなんと80回を超え、東京ドームでのジョージ・ハリスンとの共演、エルトン・ジョン&マーク・ノップラーとの共演等も含め、忘れられない大イヴェントもあった。そして
ラスト・ツアーと呼ばれたツアーだけに、どんな選曲になるのか、多くのファンが期待と不安を胸にコンサート会場に行ったことであろう。
■ ヒット曲とブルース
クラプトンのファン層は幅広い、
クリーム時代からのファン、
70年代からのファン、
『アンプラグド』で初めて知ったファン、あまりにレパートリーの曲数が多く誰もが望む選曲でライヴを行うのは極めて難しい。またステージ上ではあまりトークもなく、控えめな性格の彼らしい、観客をあおるようなことはない。
今回のライヴは
名曲の数々を網羅しながらも、50年間に渡って信念を変えず
ブルースを探求し続けた
音楽生活の集大成ともいうべき、彼が愛し続けたブルース・ナンバーもバランス良く選曲されている。これが彼が求めた
最終型ライヴ・ステージである。「ワンダフル・トゥナイト」と「ティアーズ・イン・ヘヴン」の大ヒット曲では、リズム・アレンジが大きく変更され、レゲエのような軽い感じでプレイされている。数千回は演奏していることであろうが、さりげない
アレンジが新鮮である。
また、控えめな性格もあって、ステージ上ではあまり
トークをすることのない彼であるが、今回収録されたアンプラグド・ヴァージョンの
『いとしのレイラ』は、日本公演最終日のもので、曲の間奏のところで
日本のファンへの40年間の想いを語っているのは貴重である。
■ 収録曲リスト【()内は、クラプトンのオリジナル・ヴァージョンが収録されたアルバム】
1.
Tell The Truth テル・ザ・トゥルース(『いとしのレイラ』)
2.
Pretending プリテンディング(『ジャーニー・マン』)
3.
Crossroads クロスロード(『クリームの素晴らしき世界』)
4.
Driftin' Blues ドリフティン(ライヴ録音『エリック・クラプトン・ライヴ / EC WAS HERE (Live Version)』、スタジオ録音『フロム・ザ・クレイドル (Studio Version)』)
5.
I Shot The Sheriff アイ・ショット・ザ・シェリフ(『461 オーシャン・ブールヴァード』)
6.
Little Queen Of Spades リトル・クイーン・オブ・スペイズ(『ミー& MR ジョンソン』)
7.
Layla いとしのレイラ(『いとしのレイラ』)
8.
Wonderful Tonight ワンダフル・トゥナイト(『スローハンド』)
9.
Key To The Highway ハイウェイへの関門(『いとしのレイラ』)
10.
Before You Accuse Me ビフォー・ユー・アキューズ・ミー(『ジャーニーマン』)
11.
Tears In Heaven ティアーズ・イン・ヘヴン(TVライヴ録音『アンプラグド』、スタジオ録音『ラッシュ(サウンドトラック)』)
12.
Cocaine コカイン(『スローハンド』)
13.
Hoochie Coochie Man フーチー・クーチー・マン(『フロム・ザ・クレイドル』)
14.
High Time We Went ハイ・タイム・ウィ・ウェント(クレジットロール:音声のみ)
15.
【ボーナス映像】Nobody Knows You (When You Down and Out) ノーバディ・ノウズ・ユー(『いとしのレイラ』)
16.
【ボーナス映像】Alabama Woman Blues アラバマ・ウーマン・ブルース(未発表曲)
■ 選び抜かれたツアー・メンバー
今回の
ツアー・メンバーは正に
ベスト・オブ・ベストとも言える、後期クラプトンのツアー・メンバーとして最も多くのライヴを支えたリズム隊が起用された。もう言うまでもない世界最高峰のセッション・ドラマー、
スティーヴ・ガッドと、売れっ子ベーシストでクラプトンが参加したソロ・アルバムも発売した
ネイザン・イーストである。また、キーボードは70年代末期から長年サポートしてきたクリス・ステイントンに、ハモンド・オルガンにはエース、スクィーズ、マイク&ザ・メカニックス等に在籍したポール・キャラックに、バック・コーラスのミシェル・ジョンとシャロン・ホワイトという布陣である。
編成でまず気づくのは
サポート・ギタリストがいないことである。デレク・トラックスやドイル・ブラムホールJR等の若手の起用や、『クロスロード・フェスティヴァル』等での数え切れない程のギタリストと共演を果たしている彼であるが、
あえて自身のギターのみという編成には最後のツアーへの想いが感じられ、まさに集大成とも言うべき
入魂のギター・ソロを惜しげもなく披露してくれている。とかくギター・ソロ・パートをサポート・ギタリストに任せることが多かっただけに、
ギタリスト・クラプトンを聴きたいファンには嬉しいことである。尚、スティーヴ・ガッドやネイザン・イーストやメンバー全員のインタビューやリハーサル中のやりとりも収録されており、興味深いシーンも数多い。