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1冊でわかるポケット教養シリーズ

吉松 隆の 調性で読み解くクラシック


長調は「楽しい」、短調は「悲しい」? 作曲家はどうやって調性を選ぶの? 調性については不思議なことがいっぱい。これを作曲家の吉松隆氏が分かりやすく解説します!

商品情報

商品コード
GTB01090930
発売日
仕様
A6判縦/208ページ
商品構成
書籍
JANコード
4947817248316
ISBNコード
9784636909302
著者
吉松 隆
楽器
クラシック

商品の説明

和声法だのコード進行だのを何も知らなくても、最後の「ジャーン」という和声に辿り着くと誰でも「ああ、終わった」という解放感に満たされる。 これは「音」というものが最初から持っている「科学的」に説明できる性格なのだろうか。 あるいは、それを聞く人間の耳や感情によって起こる「感覚」の問題にすぎないのだろうか。 もしくは、人間が生まれつき持っている「本能」? それとも子供の頃から聞いてきた音楽の体験から染み込んだ「記憶」あるいは「くせ」? この書では、そんな「ハーモニー」や「調性」の謎と秘密について、独断と私見も含めて解説してゆこう。(本書「はじめに」より)

※本書は2010年9月小社より発刊された『「運命」はなぜハ短調で扉を叩くのか?~調性で読み解くクラシック~』を文庫化したものです。

[目次]
●はじめに: ♯♭が持つ魅惑の「調性」ワールドへようこそ
クラシックの曲はどうして題名に調号が付いているのか?/長調と短調の不思議~長調は「楽しい」、短調は「悲しい」?/ハ長調は「白」、ト長調は「緑」~調性には色がある?/気持ち良かったり、切なかったりするハーモニーと調性の謎

●第1章: 調性とは何か
音楽の三要素/音を楽しむ・音を学ぶ/音名? ドレミファとABCD/♯と♭、調号/長調と短調/調性の性格~長調は楽しく、短調は悲しいわけ/調と色彩/ストレスの短調/調性の傾向

●第2章: 楽器からみた調性
作曲家はどうやって調性を選ぶのか?/楽器と調~得意な調と苦手な調いろいろ(ピアノ/弦楽器/管楽器)/弦楽器のお得意キイ「♯」/管楽器のお得意キイ「♭」/調性の決定/響きのテンション(緊張感)

●第3章: 科学的にみた調性
音と耳/感情との連動/鳴き声と声/雑音と楽音/自然倍音/協和音/歌の誕生/楽器の誕生/音階の誕生/音階の名前/音階からドレミファへ/「光」の長調、「影」の短調/音律の話/純正律・ピタゴラス音律/平均律/振動数とセント/調性と人間

●第4章: 調性の歴史
聖歌の誕生/キリスト教の登場/五線譜と調号/対位法の誕生/いよいよ和声法の登場/協和音と不協和音/音楽家(ムジクス)と楽士(カントル)/音楽の父の誕生/機能和声法の基礎知識/和声の記述法/ロマン派への進化/機能和声法の発展と転調/エンハーモニックとトリスタン和声/無調と12音/ポピュラー界における「調性と和音」(コードネーム/ブルース/ジャズの誕生/ロックの台頭)/現代におけるハーモニー

●第5章: 調性に関するエトセトラ
日本の「調」の話/日本の音階と音律/日本の施法/日本(東洋)のハーモニー感/音と調によせるさらなる雑学(共鳴する身体~チャクラ/音楽の悪用/天体の音楽/音量子仮説)

●第6章: それぞれの調性の特徴と名曲
[長調]ハ長調/ト長調/ヘ長調/ニ長調/変ロ長調/イ長調/変ホ長調/ホ長調/変イ長調/ロ長調/変ニ長調/嬰ヘ長調/変ト長調
[短調]イ短調/ホ短調/二短調/ロ短調/ト短調/嬰へ短調/ハ短調/嬰ハ短調/へ短調/嬰ト短調/変ロ短調/嬰二短調/変ホ短調
[そのほかの音階、施法]全音階/12音音階/教会旋法/5音音階/ブルーノート・スケール/移調の限られた旋法/微分音階


■著者について
吉松 隆(よしまつ・たかし)
作曲家。1953年(昭和28年)東京生まれ。 少年時代は手塚治虫のような漫画家か、お茶の水博士のような科学者になろうと思っていたが、中学3年生の時に突然クラシックに目覚め、 慶応義塾大学工学部を中退後、一時松村禎三に師事したほかはロックやジャズのグループに参加しながら独学で学ぶ。 1981年に「朱鷺によせる哀歌」でデビュー。以後いわゆる「現代音楽」の非音楽的な傾向に異を唱え、 調性やメロディを復活させた「新(世紀末)抒情主義」および「現代音楽撲滅運動」を主唱、6つの交響曲や10の協奏曲を始めとするオーケストラ作品を中心に、 <鳥のシリーズ>などの室内楽作品、<プレイアデス舞曲集>などのピアノ作品のほか、ギター作品、邦楽作品、舞台作品など数多くの作品を国内外で発表。 1998年からはイギリスのシャンドス(Chandos)とレジデント・コンポーザーの契約を結び全オーケストラ作品を録音、 クラシックというジャンルと超えた幅広いファンの支持を得ている。 また評論・エッセイなどの執筆活動のほか、FM音楽番組の解説者やイラストレイターとしても活躍中。 近著に『クラシック音楽は「ミステリー」である』(講談社+α新書)、自伝『作曲は鳥のごとく』(春秋社)などがある。 TV・映画音楽も多く手がけており、近年では2009年に映画『ヴィヨンの妻』(監督:根岸 吉太郎)の音楽(第33回日本アカデミー賞優秀音楽賞)、 2012年にNHKドラマ『平清盛』の音楽を担当(第67回日本放送映画芸術大賞放送部門最優秀音楽賞)。 後者は放送開始後すぐに話題となり、そのすべての音楽を網羅したCD『オリジナル・サウンドトラック 平清盛×吉松隆 音楽全仕事』(日本コロムビア)が発売された。 還暦を迎えた2013年には、新作の交響曲第6番「鳥と天使たち」を発表(いずみシンフォニエッタ委託作品、日本初演)。 2014年にはCDおよびピアノ曲集『優しき玩具』を発売するなど(CD:Camerata Tokyo/楽譜:音楽之友社)、変わらず多方面で活躍中。



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