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作曲少女2~転調を知って世界が変わる私たちの話~

作曲少女2~転調を知って世界が変わる私たちの話~

特別掲載

作曲少女2番外編 ~「ハッピーバースデーの歌」~(書き下ろし)
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★更新情報:2019年12月5日 サイトをオープンしました!

【ネタばれ注意!】劇中曲解説付きデモ音源動画

この動画では、作中の曲について、どのような構成になっているのかを解説しています。ぜひこちらを参考に、自分でも曲を作ってみてください。
★物語の「ネタばれ」が含まれていますので、書籍を読んだ方のみご覧ください!★

作曲:山波いろは/黒白珠美/美空うぐいす
作詞:江戸川 悠
動画制作:仰木日向

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◆ プロローグ

「高校生活なんてあっという間だね」
「ん? ああ。そうだなぁ。つい最近高校生になったばっかりな気がするのにな」
ひゅうと吹く、3月上旬の冷たさの残る冬風の中に混ざって聞こえるのは、校門前や中庭で響く楽しげな声と、どうやら誰かが泣いているらしい会話の声。
その大勢の学生の姿を教室の2階窓側から見下ろしている私――山波いろはは、ちょっとセンチメンタルにものを思う。窓際の手すりみたいなやつにもたれかかりながら。――今日は、3年生の先輩たちの、卒業式。
……そして来年には、そこで笑ったり泣いたりしてる3年生の先輩たちと同じように、私も卒業し、高校生活が終わる。

まだ、何もやってないのに。

「……ねぇ珠(たま)ちゃん、私ね、ちょっと計画があるんだ」
「計画?」
私の後ろで机にカバンを(枕的な使い方で)置いてのんびりしている現役女子高生プロ作曲家・黒白珠美こと珠ちゃんは、トレードマークのぬいぐるみ帽子をかぶった頭を傾けながら返事をしているらしい。振り返った私は言う。
「……もっとね、楽しいこといっぱいあると思ってたんだ、高校生活って。でも、今さらだけどわかってきた。自分からやろうとしなきゃ、楽しいことなんて何も起こらないんだって」
「おお、それはきっとそうだろうな。大人が楽しいことを用意してくれるのは、小学生くらいまでだと思うぞ」
「そうだよね。そうだと思う」
女子高生とは思えない悟りを感じさせる珠ちゃんの落ち着いたコメントは、相変わらずゆったりと、静かに本当のことを言う。やっぱりそうだよね。私もそうだと思ってたんだ。

「だからこそね! 私は計画を立てたんだよ! これを見て珠ちゃん!」
「……お? おう。なんだ?」
「こういうことだよ、珠ちゃん!」
「どういうことなんだ」

ビッシリとやりたいことを箇条書きにした私のノート『青春計画』を見た珠ちゃんは、目をパチクリさせている。わかるかな、こういうことなんだよ!
「だからね、せっかく曲が書けるようになったんだし、ほら、もっとこう、いろいろやりたいじゃない? 部活とか作って、なんか大会とか出たりして、そういう青春的なことしなきゃもったいないじゃない! あと1年で終わっちゃうんだよ!? 花の女子高生の時間が!」
「青春ってお前……小っ恥ずかしいことを普通に言うよな。いろはっぽいけど」
「え。なんか恥ずかしいこと言ってるかな……?」
「いやいや、まぁ、いいんじゃない? ん~~、しかし作曲の部活か……というか、そもそも部活で『作曲部』って、あんま聞かないよな」
「ないから良いんだよ珠ちゃん。ないから作るんだ」
「…… ”ないから作る“か。ここにきてとんでもないオリジナリティを主張し始めたな。でもそのニュアンスは良いね。あたしも好きだよその感じ」
「『オリジナリティ』! まさにそうだよ珠ちゃん。私が今テーマにしてるのはそこなんだ。私のオリジナルの高校生活! オリジナルの価値観に、オリジナルの曲! 誰の真似でもない、私だけの何か!」
「そりゃ良いテーマだな。なるほど。そろそろ『テクスチャー』にも飽きてきた頃か?」
「え? あ……うん! そういうことなのかな?」

――『テクスチャー』。忘れもしない、去年の冬休みの14日間で珠ちゃんが私に教えた、”14日で曲を完成させるため“の反則級の超アクロバット作曲テクニック。あれさえ使えばほぼいくらでも曲は作れる。けど……たしかにそうなんだよね。あのやり方には、オリジナリティが少し足りない。ドンドン作れるしすごいテクニックではあるんだけど。なんていうんだろう、完全なオリジナルとは言えないというか。自分でコントロールしてる手応えみたいなものが足りないというか。
「テクスチャーに物足りなさを感じたなら、いよいよだな。そろそろ補助輪ナシの完全な”いろはオリジナル“を作る時なのかもしれない」
「テクスチャーなしで、っていうことだよね。……できるかな」
「言っただろ。もともとテクスチャーは模写みたいなものだ。書き方がわかってきたら、次はオリジナルで書けるようになりたいだろ?」
「なりたい! ものすごく!」
「あはは、いいね!」

珠ちゃんはハイっと私にノートを返すと、グーッと伸びをする。おーさむさむとか言いつつ、マフラーに首をうずめたりしながら。
「しかし作曲部か。まぁ、いろはがやりたいならあたしは付き合うよ」
「良かったぁ! あ、ところで『青春計画』だけど、珠ちゃんはどれからやりたい? 部活作りはまずやるとして、やっぱりライブは絶対やりたいよね♪」
「え。え~っと。……その計画さ、名前はそれで決定なの?」
「え? うん。青春計画」
「そうか。だったら仕方ないな」
「ダサい、かな……」
「いやいや、ダサくないダサくない! むしろ逆に良い!」
「逆にってことはダサいの?」
「あー違う違う! そういう意味じゃなくて、意外と誰も使ってない言葉だよナーみたいな! はは! 響きもリズム感あってめっちゃ良いよな! すごく良い! 天才的なネーミングだな!? あたしじゃ思いつかないぞ! 圧倒的なオリジナリティだ!」
「そ、そうかな? それほどでもないけどな~♪」
「じゃ、何だっけ? 作曲部、作ってみれば?」
「うん! 見ててよ、絶対作曲部作るから! 私たちの青春は始まったばっかりなんだから!」

◆ 商品概要

作曲少女2~転調を知って世界が変わる私たちの話~

音楽知識ゼロから曲を作り始めた女子高生"いろは"。
14日間で曲を作れたいろはの次なる挑戦は、「もっとオリジナルな曲を作る!」。
張り切るいろはの前に、彼女の曲を聴いたという後輩“うぐいす"が現れて……。
スケール・アドリブ、転調、そして詞先作曲まで――。現役女子高生作曲家"珠美"の常識外れのレッスンのもと、いろはたちは創作の深みを知ることになる。
物語を読むだけで曲作りのノウハウや考え方が身につく、小説×作曲入門書。

この本は、小説を読むうちに作曲が学べる「作曲入門ライトノベル」です。
前作『作曲少女』では作曲や創作に向かうスタンスや基本的な作り方を学びましたが、今作では転調やスケール、アドリブなどを学び、最終的に自分だけの完全なオリジナル曲を作るための方法を身につけていきます。

    [目次]

  • プロローグ
    第1話  珠ちゃんと私と、もうひとり
    第2話  スケールの話
    第3話  やっぱり気になる理論の話 ~楽典の話~
    第4話  即興作曲の話
    第5話  メジャー/マイナーの話
    第6話  作曲をしたいと思った、私たちの話
    第7話  ジングルゲーム
    第8話  転調とサークル・オブ・フィフスの話

  • 第9話  詞先作曲
    第10話  ふたたび、作曲合宿
    第11話  2時間作曲
    第12話  中庭ライブ
    エピローグ

定価:1,600円+税
好評発売中

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◆ キャラクター紹介

山波いろは(やまなみ・いろは) 多摩川南高校3年生。『何をやっても続かない』という悩みを持ちつつも挑戦した作曲だったが、毎度のごとく挫折しかける。しかし今回はクラスメイトの天才作曲女子高生・珠美の助けを得て見事曲を完成させ、もっと楽しいことやりたい!と元気モリモリになった。最近はゆるキャラのトニャンペットや青春音楽漫画にハマっている。

山波いろは

黒白珠美(くろしろ・たまみ) 同じく多摩川南高校3年生。現役女子高生にしてプロ作曲家という超ハイスペックガール。基本的に嘘をつかないことをモットーにしているためか、クラスでは人付き合いがうまくいかず孤立していた。いろはとの出会いで少しだけコミュ力が上がり、いまはいろはと行動をともにすることが多い。ハローネコォのグッズに目がない。

黒白珠美

美空うぐいす(みそら・うぐいす) 多摩川南高校2年生。中学の頃に吹奏楽をやっており、音楽経験はそれなり。やる気みなぎる吹奏楽部の熱過ぎるムードに少しくたびれたのか、高校では部活に入らず過ごしていた。しかしこのまま何もしないままでいいのか?と漠然とした不安や悩みを抱えていた時に、階段の踊り場に掲示されていた『作曲部☆部員募集』のポスターを発見する。

美空うぐいす

◆ 著者&イラストレーター紹介

仰木日向(おうぎ・ひなた) 音楽制作会社で作曲のノウハウを学び、その後フリーランスとして作曲を始め、本名名義でアニメ楽曲やゲームBGMを手がける。2014年からはペンネームの仰木日向で活動し、サンリオ『SHOW BY ROCK!!』や『ガールフレンド(仮)』、『私立グリモワール魔法学園』、『Re:ステージ!』、その他声優やアニメ作品の作詞や作曲を手がけつつ、音楽理論ライトノベル『作曲少女』シリーズ(ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス)や音楽業界実録小説『トークバック』(八丸出版)を執筆している。

まつだひかり 楽器×女子高生が大好きな漫画家、イラストレーター。
YouTubeに投稿している自主制作アニメ「女子高生エフェクターを買いに行く!!」シリーズでは、島村楽器やエフェクターブランドBOSSや、LINE6、ESP学園とのコラボも。
著書に『スライディングV 女子高生バンドを始める!!』『まことディストーション(全2巻)』(ともにKADOKAWA)がある。

◆ Special Contents

『作曲少女2』発刊記念、無料連載中!

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