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【ひびきの本】

ドラマティック・ベートーヴェン


~自己プロデュースの達人~

権力と情報を利用、自己プロデュース力に優れた演出家音楽だけでないベートーヴェンの天才的一面が明らかに!

※大変申し訳ありませんが、こちらの商品は絶版でございます。

商品情報

商品コード
GTB01084798
発売日
仕様
四六判縦/280ページ
商品構成
書籍
JANコード
4947817218784
ISBNコード
9784636847987
著者
石井清司

商品の説明

音楽室で見るベートーヴェンはいつもしかめっ面。だけど本当のベートーヴェンは?実はベートーヴェンは人付き合いと自己プロデュースがどの音楽家よりも優れていた。彼は自らの才能を売り物にし、パトロン社会をうまく利用して、貴族を、はてはメディアまでもうまく操作して自分を売り出していった、商才あふれる人間だったのだ。ジャーナリストの視点で、芸術家としての一面だけでなく、ビジネスマンとしての一面もクローズアップ。今まで誰も書かなかったベートーヴェンの新しい姿がここにある。

■■内容
第1章 新時代の予感~天才の誕生~
・音楽一家“第二のモーツァルト”の夢
・境界の時代の都市と宮廷
・一一歳、ネーフェ師との出会い

第2章 運命の始まり~ライン河畔、ボン~
・西欧経済の動脈、ラインの威容
・専制君主から啓蒙君主へ
・宮廷から芽ぶき始めた新古典派、ロマン派
・優しい祖父と暴君の父

第3章 師ネーフェ~学んだのは音楽だけではなかった~
・四歳で音楽に目覚める?
・父が仕組んだ六歳のデビュー
・ヒューマニストに学んだ音楽と思想
・哲学の師でもあったネーフェ

第4章 少年から若者へ~形成される作曲家~
・弾丸のような風貌の暗い少年
・母との旅、祖父との別れ
・多忙なオルガン助手で一家を支える

第5章
・孤独と自由~ボン時代~
・大ハプスブルク帝国の威光
・ベンチャーの街で受けた大抜擢
・師の焦燥、ついて回る「貧困」
・父の暴力と母の過保護

第6章 モーツァルト
・~ふたりの座標軸~モーツァルトを愛した選帝侯
・幻に終わったボンの出会い
・“フリーの演奏家”独立する天才ふたり
・モーツァルトとのウィーンでの出会い
・両雄の出会いを演出した伯爵夫人

第7章 新しい波~“自由、平等、博愛”の魔力~
・“最大多数の最大幸福”
・自然礼讃、個人讃美の一大思潮
・音楽こそ欧州大陸の共通語
・ワルトシュタイン伯とブロイニング未亡人
・ボン大学に渦巻く熱気

第8章 “パパ”を慕って~ウィーンのハイドン~
・父からの独立
・情愛あふれる人柄と音楽
・心酔するパパ・ハイドンと共演
・終生の宝物、ハイドンの遺品
・革命の風波の中、ウィーン行きの光
第9章 ウィーンへ~サロンの異才、頭角を現す~
・リヒノフスキー侯爵の篤い庇護
・財布の中身と父の訃報と
・古典派完成者にしてロマン派草創者
・師の不遇と故郷への貢献

第10章 師への造反
・鬼の居ぬ間
・三人のウィーン貴族の力添え
・サリエリ、シェンクへの接近
・対位法の大家に作曲を学ぶ
・ボン選帝侯との間に亀裂
・ロマン・ロランの魂を救う

第11章 自由の旗の下~交響曲第三番《英雄》~
・一九世紀市民社会精神の体現者
・名実ともにフリーに
・民族オペラへの傾倒と師たち
・ブルク劇場で大成功デビュー
・英雄讃美が一転野心家嫌悪へ

第12章 意外な商才と後援者たち~巧みだった自己プロデュース~
・貴族殺し?
・もうひとつの顔
・ベストセラー作家の特別献呈本
・秘められた不思議な力
・職人=ピアニストとしての才
・メーカー、メディアとも交流成功

第13章 作品献呈事件~ハイドンとの和解~
・新世代のフリー作曲家
・楽譜出版業者との丁々発止
・「出版しないほうがいい」と師の一言
・リヒノフスキー侯と仕掛けた一件落着劇
・喝采と思惑と

第14章 運命への扉~ドゥシェク夫人慕情~
・一七九五年、出発の年
・演奏家、ピアノ曲作曲家を超えて
・交響曲作曲へ航海開始
・音楽の古都プラハを目指す
・すべてを持つ人ドゥシェク夫人

第15章 仕掛人の顔~東欧“販促”大旅行~
・プラハでの恍惚の日々
・二ヵ月の滞在延長で味わったもの
・ドレスデン、ライプツィヒ、ベルリン
・販促旅行の成功と難聴

第16章 愛国という病い~オーストリア軍歌事件~
・交響曲の前に室内楽を征圧
・ドイツ病に揺れる若き巨匠
・「われら大ドイツ民族」融合と相克と
・ナポレオン軍迫り愛国の街と化す
・「革新は彼の心もまた征服した」
第17章 聞こえない~隠し通した二年間~
・大指揮者の“さらい”、棋聖の“よみ”
・耳の奥と心の底の重さに耐えて
・遺伝か疾患か、まさに諸説紛々
・親友ヴェーゲラーへの告白

第18章 不滅の恋人~創造の源泉、不器用な恋~
・「幼児キリストの目の輝き」のごとく
・《月光》ソナタを捧げられた女性
・見えない本命とのちの重要人物
・自己主催の演奏会という事件
・一九世紀の市民音楽家の誕生

第19章 懊悩と充実~ハイリゲンシュタットの遺書~
・大衆に呼びかけた交響曲第一番
・オペラへの挑戦と《月光》ソナタ誕生
・ついに難聴を告白、療養生活へ
・私の死後、私と仲直りしてくれ
・遺書?
・未来への宣言?

第20章 市民の旗手~《クロイツェル・ソナタ》~
・“出版したい作曲家”の地位を得る
・「僕は創造主をのろう」――耳疾進行
・市場原理も働く市民音楽の時代
・「引き受け切れないほど注文はある」
・シカネーダー支配人による厚遇
・「彼の不幸を利用した運命」の苦悶

第21章 未来を謳う~ナポレオンへの愛憎~
・難聴がもたらした孤独と純情
・「彼は無限の自由に加担していた」
・クロイツェルが伝えた英雄の姿
・“精神の神、エロイカ”の夢と挫折
・人類の未来を音楽で描ききる
・現実を生きる信念の結実=作品

第22章 恋と大作~オペラ《フィデリオ》~
・弟子たち
・エレオノーレ、そしてヨゼフィーネ
・“ベートーヴェン哲学”への道程
・政治と文化の昇華として
・二大劇場の「革命オペラ」争い
・第一稿も改作も失敗に終わる

第23章 落日の時~時代の逆風と難聴~
・新時代のコンテンツ・メーカー
・絶頂の人生中期と不滅の恋人
・一転、「生涯のうち、最もみじめ」
・ナポレオン退位、反動時代へ逆行
・当局に監視される危険分子
・ロンドン亡命も阻止されて

第24章 永遠の別れ~それは喜劇だったか~
・市民派音楽家の旺盛な活動
・テプリツェで出会った人々
・インフレと戦うフリー作家の処世術
・シューベルトが共有した時と心
・反動の時代、空白の六年間
・処世は“時流”表現は“歴史”
・苦悩と内向の時代を生きる才能
・《第九》完成から三年後、巨星墜つ


■■著者紹介
石井清司:
1936年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。
在学中より放送構成作家としてスタートし、放送評論家、フリー・ジャーナリスト、ルポライターとして活躍。
スポーツ、クラシック音楽関係の著書も多いが、特に日本のテレビ制作プロダクション業界には草創期から加わり、
豊富な実績と人脈を背景に鋭い論評を続けている。

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