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賛美歌『オールド・ハンドレッド』による幻想曲 Fantasy on Old Hundred

デイヴィッド・R. ホルジンガー David R. Holsinger

  • 出版社
    C. L. Barnhouse
  • Grade
    5
  • 演奏時間
    7:00
  • 曲想/ジャンル
    賛美歌をもとにしたパワフルなオリジナル作品
  • 注文番号
    GYW00138576
  • 対象
    大学~一般
  • 用途
    コンクール、コンサート
  • 演奏可能人数
    35

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作曲者と作品について

 賛美歌『オールド・ハンドレッドスOld Hundredth』』をもとにした作品。
16世紀半ばにフランスの神学者ジャン・カルヴァンが聖書にある150の詩篇を歌えるようするために、 1539年から数回に分けて詩篇歌集を作っており、この曲はそのひとつとして詩篇134番のために、フランスの作曲家ルイ・ブルジョワ(1510頃~1559頃)によって1551年に作曲された。 1562年に全150編、 124種類の旋律による「ジュネーブ詩篇歌集」が出版された際に、この旋律は詩篇100番に付けるように変更されている。この詩篇歌集は「Old Psalm(旧詩篇)」と名付けられたため、その中の100番の旋律、ということで「Old Hundredth(旧100番)」と呼ばれるようになった。日本では讃美歌21の24番「たたえよ、主の民(頌栄)」として知られている。なお、以下に紹介するホルジンガーの曲のタイトルでは最後に「ス(th)」が付いていないが、このような表記もされることもある。
「旧100番 」は様々な作曲家によって編曲、または作品の素材として活用されており、1953年のエリザベス二世の戴冠式の折にはヴォーン=ウィリアムズによって合唱とオルガン付きの管弦楽用に編曲されたものが演奏された。吹奏楽のレパートリーとしてはフィリップ・スパークによる編曲、ジェイムズ・カーナウによる「旧100番の旋律をもとにしたヘンリー・パーセルのオルガン曲の編曲、クロード・トーマス・スミス作曲の《ルイ・ブルジョアの賛美歌による変奏曲》などがよく知られている。
アメリカの作曲家ホルジンガー(1945~ )は同一パターンの執拗な反復によって高揚感を演出し、パワフルでエネルギーに溢れた作風で知られるが、教会でオルガニストを務めていたこともあって、楽曲の題材には宗教的なものが少なくない。この作品もその系統に属するもので、 速いテンポで演奏される前半は木管の躍動的なパッセージと長めの音価による金管の「旧100番」の旋律が重ねられ、やはり賛美歌を素材とする旋律が静かに歌われる中間部を経て、再び前半の音楽が(調性を明るいものに転じて)再現する。

指導のポイント

 音楽を最後まで弛みなく持続する精神的/肉体的なエネルギーが必要だ。なるべく早い段階から曲を通す機会を増やし、エネルギーの配分を考えておくべきだろう。また、複数の要素が同時進行する場面が多いので、アーティキュレーションや発音、音の収め方/切り方をグループごとに徹底、統一し、それぞれのキャラクターをはっきり分けるようにしたい。

◆ 中心となるパート

ピッコロ、フルート、クラリネット、トランペット、ホルン、打楽器。部分的にトランペットとホルンにかなり高い音域が要求されている。

◆ 主要な楽器の最高音

ピッコロ、
フルートの
最高音
主要な楽器の最高音
トランペットの
最高音
(ピッコロ・トランペットを
使用した場合)
主要な楽器の最高音
ホルンの
最高音
主要な楽器の最高音

編成についてのアドバイス

 編成は標準的(ホルンは2パート)だが、打楽器セクションはきわめて大規模で、楽譜どおりに演奏すると9名必要。ただ、グロッケンシュピールは省略しても音楽的に大きな影響はないと思われる。バンド全体で35名程度から演奏可能だが、実際に効果を上げるには40名以上必要だろう。