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セレブレーション・ファンファーレ Celebration Fanfare
ジェイムズ・カーナウ James Curnow
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- 出版社
- Hal Leonard
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- Grade
- 5
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- 演奏時間
- 4:20
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- 曲想/ジャンル
- コンサート・オープナー
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- 注文番号
- GYW00137536
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- 対象
- 高校~一般
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- 用途
- コンサート
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- 演奏可能人数
- 40
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作曲者と作品について
2020年4月で77歳になったジェイムズ・カーナウ(1943~ )だが、その創作意欲は衰えを知らず、見事なオーケストレーションの技術とエネルギーに満ちた音楽的発想は健在だ。
この《セレブレーション・ファンファーレ》は2018年4月に93歳で逝去したジョージア州のマリエッタ・ハイスクールの元バンド・ディレクターで、同州コッブ地区の音楽教育のスーパーバイザーだったボイド・M. マッキオーウィンを偲び、その教え子たちによって委嘱された作品。曲中の主要なモティーフが、ヨーゼフ・ハイドンの弦楽四重奏曲ハ長調Op.76の第2楽章の変奏主題であり、現オーストリア国歌でもある《皇帝讃歌》からとられているのが大きな特徴である。しかし《皇帝讃歌》による変奏曲ではなく、形式的にはきわめて自由。最後にその旋律がほぼ完全な形で姿を現わすものの——その瞬間は感動的だ——音楽のスタイルや和声はハイドンではなく、「カーナウ流」になっている。とにかく作品全体に漲るエネルギーは圧倒的で、きらめくように始まる曲の冒頭からグランディオーソの大団円まで、音楽の推進力と祝祭的な高揚は衰えることはない。それでいて旋律も和声も実に美しい。演奏はかなり難しいが、それに見合う喜びと幸福を演奏者と聴衆の両方にもたらしてくれる作品である。上級バンドのコンサート・オープナーとして注目したい1曲。
指導のポイント
すでに述べたが、かなり難易度は高いものの美しくスタイリッシュな作品なので、雑然とした印象にならないよう、アンサンブルをていねいに整理する必要がある。しかし、縦のアンサンブルではなく、横の流れをつくり、さまざまに入り組んだいくつかの声部をそれぞれ音楽として自立させることが肝要。指揮者の腕が試される曲だ。
◆ 中心となるパート
すべてのパートが等しく重要 トランペットが独立した役割を担う場面が最も多い。
◆ 主要な楽器の最高音、最低音
最高音

最高音

最低音

編成についてのアドバイス
編成は標準的なものだが、クラリネットとトランペットは3つの各パートがさらに分割され、ユーフォニアムとテューバも2部に分かれる箇所がある。打楽器は7名で演奏可能。バンド全体で40名は必要なので、少人数のバンドには難しい。
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