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《フィデリオ》より衛兵の行進 March Of The Guards from “ Fidelio”
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン/アンドリュー・グローヴァー編曲 Ludwig van Beethoven/ arr. Andrew Glover
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- 出版社
- C. L. Barnhouse
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- Grade
- 4
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- 演奏時間
- 3:47
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- 曲想/ジャンル
- トランスクリプション
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- 注文番号
- GYW00138599
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- 対象
- 中学校~一般
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- 用途
- コンサート
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- 演奏可能人数
- 10以下
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作曲者と作品について
すでにバッハの《甘き死よ来たれ》で紹介した、C. L. バーンハウスのフレックス編成のシリーズ“ビルド・ア・バンド・シリーズ”に含まれる1曲。2020年が生誕250年のアニヴァーサリー・イヤーであるベートーヴェン唯一のオペラ、《フィデリオ》(1805年初演、1814年改訂版初演)の第1幕で、舞台となっている監獄に、その事務をつかさどる官吏である典獄ドン・ピツァロが衛兵とともにやってくる場面の音楽が、5つのパートに打楽器を加えたフレキシブル編成でアレンジされている。
素朴な雰囲気の、どちらかといえばかわいらしい行進曲で、大人数による壮麗な演奏よりも、むしろ少人数の室内楽的なアンサンブルに適した音楽といえるだろう。《甘き死よ来たれ》でも述べたが、各パート を複数の楽器で重ねる場合は、組合わせを変化させるなどして、音色と音楽的なキャラクターの変化や対比を考えてみることをおすすめする。そのような研究の素材として格好の1曲だ。もちろん、古典的な様式によるレパートリーとしても、日本のアマチュア吹奏楽界では貴重な作品なので、この曲から学ぶことは多いに違いない。
指導のポイント
テンポは速くはないものの、行進曲なので、きびきびとした表現が望まれる。リズムがすべったり、緩んだりしないこと。8分音符は指示されていなくとも短めに演奏する。発音も、音の切り口も明瞭に。強弱の対比もこの曲の特徴なので、表現が中途半端にならないこと。
ウィーン古典派の音楽は日本のアマチュア吹奏楽活動では通常レパートリーに含まれていないので、まず鑑賞などを通じてスタイルに親しむことも大切だろう。この機会にモーツァルトやベートーヴェンのオペラ、管弦楽、管楽器を中心とした室内楽に親しみたい。
編成についてのアドバイス
楽器配分については《甘き死よ来たれ》と同じなので、そちらを参照されたい。打楽器パートはスネア・ドラム、バス・ドラム、トライアングル、サスペンデッド・シンバルと合わせシンバル。他にオプションとして鍵盤打楽器とティンパニも加えられている。しかしこれらがなくとも音楽的にはそれほど影響はなく、適宜省略可能である。
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