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> 15 プレリュードとトッカータ
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プレリュードとトッカータ Prelude and Toccata
ウィリアム・ハイムズ William Himes
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- 出版社
- Neil A. Kjos
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- Grade
- 3
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- 演奏時間
- 4:10
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- 曲想/ジャンル
- 真面目で品格のあるコンサート・ピース、教材
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- 注文番号
- GYW00138699
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- 対象
- 中学校~高校(初級)
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- 用途
- コンサート、アンサンブルと音楽のスタイルの学習
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- 演奏可能人数
- 25
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作曲者と作品について
ウィリアム・ハイムズは、救世軍のバンドとゴスペル合唱団のリーダーを永く務めた後、現在はイリノイ州ディアフィールドにあるトリニティ国際大学で作曲を教えている。
この作品はイリノイのニュー・トリーア学区内の吹奏楽教育プログラムのために書かれたもので、その地区の名トリーアTrier がドイツの同名の都市に由来することから、ハイムズはドイツの民謡を題材とした作品の創作を思い立ったようだ。その題材は〈ああ、何と素敵な夕べ O wie wohl ist mir am Abend〉。その旋律が、前半(プレリュード)では金管のアンサンブルで提示された後、木管によるカノン(輪唱)で愛らしく奏でられ、テンポを速めて決然とした雰囲気で進む後半(トッカータ)では、それまで副次的な役割だった5度の跳躍モティーフが丹念に展開され、最後には民謡の旋律が再現して華々しく終わる。
品格あるコンサート・ピースとしてだけでなく、素材の提示、展開、対比、再現など、音楽がどう組立てられているかを学ぶための教材としてもきわめて価値が高い。日本の吹奏楽コンクールの自由曲にするには演奏時間がやや短いのが惜しまれるが、真摯に取り組めばそれなりの成果を得られる曲には違いない。グレード3と表示されているものの、実際には2.5程度とみてよいだろう。
指導のポイント
音楽をどこで分けるか、どこまでつなげるか、フレージングを考え、よく理解して取り組むことによって、得るものはより大きいはず。カノン、モティーフの応答、異なる要素の同時進行など、アンサンブルが立体的に構成されているので、バランスや対比にも目を向けたい。
◆ 中心となるパート
すべての楽器が等しく重要
◆ 主要な楽器の最高音

編成についてのアドバイス
ほぼ標準的な編成だが、ホルンとトロンボーンは2パートずつ。ホルンはトランペットの下のパートまたはトロンボーンと重なっている場面が多く、あまりパワフルである必要はない。逆にフルートはしっかり聴こえることが想定されているようだ。打楽器は6名が要求されているが、トライアングルとタンブリンは省略可能だろう。バンド全体で25名程度で演奏可能。
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