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ウインズ・オン・ファイア Winds on Fire
ベルト・アッペルモント Bert Appermont
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- 出版社
- Beriato Music
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- Grade
- 4(出版社の表示は3.5)
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- 演奏時間
- 8:10
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- 曲想/ジャンル
- ファンファーレに続く急~緩~急。祝祭的。
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- 品番
- GYW00129699
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- 対象
- 高校以上
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- 用途
- コンサート。コンクール。行事。
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- 演奏に必要な最少人数
- 30
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作曲者と作品について
ベルト・アッペルモント(1973~ )はベルギーの作曲家。20代から《ノアの方舟》(1998)、《ガリヴァー旅行記》(2000)などの作品で国際的に名を知られ、今日でもヨーロッパの吹奏楽作曲界を代表するひとりとして意欲的に活動を続けている。近年、その創作の内容はさらに充実の度合いを深めており、今後の活躍がますます楽しみだ。
この《ウインズ・オン・ファイア》のオリジナルはファンファーレ・バンドのための作品。ファンファーレ・バンドはオランダやベルギーで盛んな管楽合奏の形態で、イギリス式の金管バンドにサクソフォーンとフリューゲルホーンを加えた編成だが、作曲者自身によって新たにこの吹奏楽版が作られた。もともとは2016年にベルギーのふたつの町、ロクスベルゲンとコルテナーケンをそれぞれ本拠とするファンファーレ・バンドが合併することになり、それを記念してアッペルモントに委嘱された作品で、そのような経緯から、この作品はふたつの対照的なテーマ――ひとつは急速なテンポで演奏される、リズミックで明快なキャラクターをもつテーマ、もう一方はゆっくりとした、メロディックで繊細な性格のテーマ――を統合することを音楽的コンセプトとしている。実際、曲全体は祝祭的なファンファーレの導入部に続く急~緩~急の3つの部分からなるが、最後の場面では急と緩ふたつの音楽が合体し、クライマックスに達した後、冒頭のファンファーレが回帰して壮麗に終わる。華やかさと緊密な音楽構成、高い演奏効果はコンクールの自由曲とするにふさわしいが、祝祭的な行事においての演奏もおすすめだ。タイトルは、冒頭部分の華やかなキャラクターと、新しいバンドの誕生で新たに燃え上がった音楽的情熱に由来している。
指導のポイント
性格の異なるふたつの楽想のコントラストを表現するために、アーティキュレーションの表現を徹底したい。速いテンポの部分のスタッカートの表現は、音の切り方をしっかり意識すること。メロディックな場面では、スラーの指示がない音でも響きが不用意に減衰しないように気をつけよう。2種類のアクセントが使われていることもお見逃しなく。
◆ 中心となるパート
全体に金管の頑張りが期待される。特にトランペット、ホルン、ユーフォニアムが活躍する場面が多い。中間部では、ふたりのホルンが(可能であれば)ステージ裏で演奏し、トランペット奏者がフリューゲルホーンに持ち替えてソロを担当する場面がある。
◆ 主要な楽器の最高音と最低音
トランペットの最高音
ホルンの最高音
テューバの最低音
編成についてのアドバイス
ほぼ標準的な編成。ピッコロとE♭クラリネット、アルト・クラリネットはオプションとなっているが、ピッコロはあったほうがよいだろう。ただし、フルートとクラリネットは一緒にまとまって動くことが多く、それほどたくさんの人数を必要とはしない。オーボエとバスーンはソロ的に扱われている場面があるものの、代替案が示されている。1番トランペット、ユーフォニアム、テューバはふたつに分割される場面がある。打楽器は6名いれば余裕をもって演奏できるはず。30~35名程度から演奏可能だ。
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