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シロッコが告げるもの Oracles of the Sirocco
ロバート・シェルドン Robert Sheldon
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- 出版社
- Alfred
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- Grade
- 3.5
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- 演奏時間
- 5:40
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- 曲想/ジャンル
- 演奏会用序曲(急~緩~急)。旋法的でミステリアス。
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- 品番
- GYW00133330
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- 対象
- 中学校~高校
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- 用途
- コンサート。コンクール。
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- 演奏に必要な最少人数
- 30
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作曲者と作品について
作曲者については《夜のとばりが降りるように》の解説を参照されたい。
曲名にある「シロッコ」とは、夏の初めにイタリアに吹く熱い南風のこと。風そのものは北アフリカのサハラ砂漠から発生するが、地中海を越えてくるため、イタリアに到達する頃には高温で湿潤な風となり、砂嵐を伴うこともある。夏の気分をもたらし、異国への憧れを想起させるこの風をタイトルにしたことが示唆するように、作品そのものも熱いエネルギーとエグゾティシズムに溢れた内容。急~緩~急の三部形式だが、ミステリアスな気分が支配する最初の部分に比べ、最後の部分はそれと同じではなく、より激しくスリリングな表情をみせ、リズムも6/8拍子や7/8拍子を含む不安定なものとなる。ゆっくりとした中間部は、対照的に穏やかな気分が横溢し、憧れを感じさせる美しい旋律がトランペット・ソロ~フルートとクラリネット~ホルン・ソロと受け渡される。通常の長調・短調の音階だけでなく、エオリア旋法、ドリア旋法など、古い教会旋法が使われているのも特徴で、ヘミオラ的なリズムと相まって、「異国的」な気分を大いに高めている。コンクール、コンクール用のレパートリーとしておすすめしたい印象的な1 曲。
指導のポイント
大きく3つの部分に分かれてはいるものの、各場面は急に変わることはなく、音楽は少しずつ変化・発展していく。まず作品全体の音楽的な流れや各場面の関係を理解してから細部を精査していくべきだろう。レガートの旋律をスタッカート/マルカートの伴奏リズムが支える場面が多いので、それぞれの役割が紛れないようにアーティキュレーションとバランスを整理したい。変拍子には一定のパターンがあるので、まずそれを分析してから指導されることをおすすめする。打楽器が頑張りすぎないほうがミステリアスな雰囲気が生き、スマートに仕上がるだろう。
◆ 中心となるパート
トランペット、ホルン、オーボエ(代替可)にソロがある。全体にホルンが活躍する場面が多く、フルートと1番クラリネットの役割も重要。
◆ 主要な楽器の最高音
フルート
クラリネット
トランペット
編成についてのアドバイス
ほぼ標準的な編成(ホルンは2パート)。1パートで書かれているフルートと1番クラリネットは2部に分割される箇所がある。打楽器は6名でやりくりすることが可能だが、持ち替えを考えると7名いたほうがよい。逆にサクソフォーンは、ほとんどの場面で他の楽器と重なっているので、多少メンバーが欠けても大きな影響はない。バンド全体で30名程度で無理のない演奏ができる。
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ロバート・シェルドン/ Alfred
品番:GYW00116298
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