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声が生まれる To Create a Voice

キャロル・ブリティン・チェンバーズ Carol Brittin Chambers

  • 出版社
    Carl Fischer
  • Grade
    3
  • 演奏時間
    4:00
  • 曲想/ジャンル
    コラール風の序奏に続く活気に満ちた主部
  • 品番
    GYW00133493
  • 対象
    中学校~高校
  • 用途
    コンサート
  • 演奏に必要な最少人数
    24

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作曲者と作品について

昨年、《サンチェイサー》で日本に初めて紹介されたチェンバーズは、テキサス・ルーサー大学で教鞭をとり、吹奏楽とオーケストラの分野で活躍中の女流作曲家。アメリカではマーチング・バンドのアレンジャーとしても評価が高い。
この作品はカリフォルニアの市民バンド「ヴァリー・コンサート・バンド」の委嘱で、このバンドと縁の深いトロンボーン奏者/音楽教育者のクリス・アンダーソンを追悼するべく作曲された。曲名はアンダーソンが遺した以下の言葉に由来している。“多くの人は生徒たちが楽器で最初に出す音はお恥ずかしい(cringe-worthy)レベルだと思っている。しかし、私の耳にとっては、それらはすでにすばらしい音楽だ。なぜなら、それらは生徒たちがみずからの声を楽器に乗せて表現する最初の瞬間だから。時を経るにつれてその声は次第に力強く、明快に、自信に満ちたものになり、やがてはお互いに、また聴衆と心を通わせ合うためのものになっていく”。
このコメントを音楽的なアイディアに結びつけるべく、曲は「初心者が最初に出す音」であるB♭のド、レ、ミの3音を重ねた響きから始まり、この3つの音のモティーフは全曲を通じてしばしば現われることになる。さらにアメリカでは多くの初級メンバーが取り組む旋律《ホット・クロス・バンズHot Cross Buns》(復活祭に歌われる子どもの歌)も顔を出す。曲全体はコラール風の導入部と活気に溢れた主部の2部構成だが、厳粛な雰囲気の前半とポップな乗りの(マーチングのショーにも似合いそうな)後半が好対照で、特に後半は次々と場面が変わり、実にエキサイティングだ。コンサートのオープナーとしておすすめ。

指導のポイント

短い演奏時間の中で、場面が次々に変化するので、曲全体をよく見て構成を理解し、それぞれの場面の対比やエネルギーの配分を考えたい。また、後半は5/4拍子や3/2拍子のフレーズも交えて、頻繁に拍子が変化する。演奏メンバーが戸惑わないように、指導者は指揮も含めて十分に指導の準備をしておくべきだろう。

◆ 中心となるパート

アンダーソンの楽器だったトロンボーンが目立つ場面が多く、音楽の推進役となる打楽器の役割も大きい。クラリネットも重要な仕事をする場面が多いものの、2番&3番クラリネットの負担はあまり大きくはない。

◆ 主要な楽器の最高音

トランペットトランペット

編成についてのアドバイス

ほぼ標準的だが、フルートは1パート(バランス的に2名いたほうがよい)、ホルンとトロンボーンはそれぞれ2パート。打楽器はヴィブラフォーンとマリンバを含む7名での演奏が想定されているが、小物類の持ち替えをやりくりし、マリンバを省略して5名で演奏することも可能。演奏可能な編成はフルート2、クラリネット4(1番が2名)、バス・クラリネットまたはバリトン・サクソフォーン1、アルト・サクソフォーン2、テナー・サクソフォーン1、トランペット3、ホルン2、トロンボーン2、ユーフォニアム1、テューバ1、打楽器5、計24名。

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