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> 16 ブルーベル
- 16
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ブルーベル Bluebell
西邑由記子 Yukiko Nishimura
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- 出版社
- Carl Fischer
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- Grade
- 3
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- 演奏時間
- 4:10
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- 曲想/ジャンル
- スロー&リリカル
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- 品番
- GYW00133498
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- 対象
- 中~高
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- 用途
- コンサート
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- 演奏に必要な最少人数
- 23
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作曲者と作品について
西邑由記子は東京藝術大学作曲科を卒業後、マイアミ大学大学院でアルフレッド・リードに、ニューヨークのマンハッタン音楽院修士課程でリチャード・ダニエルプアに師事した。現在は京都に在住し、作曲家、編曲家、ピアニストとして活躍している。その吹奏楽作品の多くはカール・フィッシャーから出版されているが、アメリカの作曲家とは違う穏やかで繊細なその作風は広く注目を集めており、特に演奏技術の平易な作品に盛り込まれた、洗練された感覚と音楽的内容の豊かさに対する評価は高い。
西邑は弦楽オーケストラのための教育的な作品も多く手がけ、アメリカの音楽教育界ではそれらに対する評価も高いが、釣り鐘型の青い花の名をタイトルとしたこの曲もオリジナルは弦楽オーケストラのための作品で、これは作曲者自身によって吹奏楽に書き改められた版。短い中間部をもつ3部形式だが、主題はすべて共通のモティーフからできており、同じ旋律が少しずつ姿を変えて繰り返される、という印象を受ける。ゆっくりとしたテンポにもほとんど変化はない。それでいて単調さが避けられているのは、和声とオーケストレーションの技術のなせる業だろう。主要モティーフは6度とオクターヴの上向する跳躍の動きを含み、さらにレガートの表現が要求されているため、決して演奏は平易ではないが、この優美さ、繊細さは吹奏楽のレパートリー、特に中級レベルの作品では稀だ。
指導のポイント
レガートとソステヌートの表現のために、音の長さと丁寧な切り方を意識したい。いちどスラーを取り去って練習すると、音の長さの不統一や響きのムラに気付きやすいだろう。弱奏部分が多いとはいえ、消極的にならず、息をしっかり使ってひとつひとつの音を響かせることを心がけたい。和音の移り変わりに耳を傾けることも、旋律の表現や音楽構成のためのよい勉強になる。
◆ 中心となるパート
木管セクションとトランペット、グロッケンシュピールに高い意識と音をコントロールする技術が求められる。
◆ 主要な楽器の最高音
フルート
トランペット
編成についてのアドバイス
ほぼ標準的な編成だが、ホルンとトロンボーンは2パートずつ。その他の楽器は、クラリネットとトランペットがそれぞれ3パート。フルートとアルト・サクソフォーンが2パート。それ以外の楽器は1パートずつ。打楽器は3名。無理なく演奏できる最少人数は、フルート2、クラリネット4(1番2名、2番&3番各1名)、バス・クラリネット1、アルト・サクソフォーン2、テナー・サクソフォーン1、バリトン・サクソフォーン1、トランペット3、ホルン2、トロンボーン2、ユーフォニアム1、テューバ1、打楽器3、計23名。ただし、クラリネットの2番は多くの場面で1番と重なっており、3番も他の楽器と重複している。この点はトランペットもほぼ同様。フルートも2つのパートがほぼユニゾンで動いており、整理すれば20名以下でも演奏可能だ。オーボエとバスーンが加わると色彩が豊かになるだろう。
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いずれも同じ作曲家による、美しく繊細な作品。