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> 13 ドリームキャッチャー
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ドリームキャッチャー Dreamcatcher
オットー・M. シュワルツ Otto M. Schwarz
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- 出版社
- Mitropa
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- Grade
- 2.5
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- 演奏時間
- 8:10
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- 曲想/ジャンル
- 夢のイメージに基づく幻想曲
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- 品番
- GYW00131291
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- 対象
- 中学校~高校
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- 用途
- コンサート
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- 演奏に必要な最少人数
- 25
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作曲者と作品について
オットー・M. シュワルツ(1967~ )はオーストリアの作曲家。ウィーン音楽アカデミーでトランペットと作曲を学び、現在もウィーンに本拠を置いて活動を続けている。吹奏楽のほかに映画音楽やポップスの分野でも活躍しており、吹奏楽ではストーリー性のあるドラマティックな作品が多い。中級から上級レベルの作品が中心だが、この《ドリームキャッチャー》のような比較的やさしい曲も書いている。
アルプス山脈の東部地域、チロルのバンドの委嘱によって作曲されたこの作品は、アメリカの先住民オブジワ族の伝説をもとにしており、曲名の「ドリームキャッチャー」とは、眠っている子どもを悪夢から守るオブジワ族の魔除けのこと。小さな輪の枠にクモの巣状に目の粗い網が組み込まれたもので、羽根やビーズなどで飾られている(同名の韓国のガールズグループがあるようだが、それとは無関係)。
シュワルツは、少女が女呪術師が作った魔除け(ドリームキャッチャー)によって悪夢から解放される、というオブジワ族の伝説に由来したストーリーに従って曲を構成しており、空を飛ぶ夢、異界で故人に出会う夢、走ることができないのに走って逃げようとする夢、といった、典型的な悪夢のいくつかが描かれ——もっとも、空を飛ぶ夢は悪夢ではないらしく、のびやかな曲調だが——最後は悪夢が退散して平穏な朝が訪れ、静かに終わる。ストーリーに沿ってはいるものの、形式的にはしっかりしており、わかりやすい内容だ。コンサートでは照明や映像等を活用してストーリーを演出すると、より効果的だろう。
指導のポイント
総じてヨーロッパの作品は、比較的やさしいものでもアメリカの作品にくらべて演奏時間が長い。この曲も8分を超える。日本のスクール・バンドは少しずつ細かい練習を積み重ねる傾向にあり、いつまでも長い曲の全体像を理解できないことも多いので、なるべく早い時期に通し練習を行い、曲全体の音楽的な流れをつかんでおくほうが、練習計画を立てやすいだろう。同様に、常に曲の冒頭から練習を始める習慣も見直したい。
◆ 中心となるパート
すべての楽器が等しく重要。音があまり厚く重ねられていないので、響きをブレンドするよりも各楽器の音色を生かした表現を目指したい。
◆ 主要な楽器の最高音
トランペット
編成についてのアドバイス
フルート、クラリネット、アルト・サクソフォーン、トランペット、ホルン、トロンボーンが2パートずつで、他は各楽器1パート。クラリネットの1番、トランペットの1番、ユーフォニアムはしばしば分割される。ホルンとトロンボーンは一緒に動くことが多いので、どちらかの人数が足りない場合も大きな支障はない。打楽器は5名。ハープかピアノの音色で演奏するシンセサイザーがアド・リブ・パートとして加えられており、これはピアノでも問題ない。演奏可能な編成はフルート2、クラリネット3、バス・クラリネットまたはバリトン・サクソフォーン1、アルト・サクソフォーン2、テナー・サクソフォーン1、トランペット3、ホルン2、トロンボーン2、ユーフォニアム2、テューバ1、打楽器5、シンセサイザー(ピアノ)1、計25名。
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