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夜のとばりが降りるように As Twilight Falls
ロバート・シェルドン Robert Sheldon
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- 出版社
- Alfred
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- Grade
- 1.5(出版社の表示は1)
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- 演奏時間
- 2:00
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- 曲想/ジャンル
- スロー&リリカル
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- 品番
- GYW00062533
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- 対象
- 小学校~中学校(初級)
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- 用途
- コンサート。音楽表現の教材。
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- 演奏に必要な最少人数
- 15
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作曲者と作品について
ロバート・シェルドン(1954~ )はアメリカの吹奏楽界を代表する作曲家のひとり。30年以上にわたり、初級から上級まで、幅広いレベルと内容の作品を数多く発表しており、特に初級バンドのための教育的作品に定評がある。その作品のスタイルも実に多様だが、そのすべてに共通しているのは、和声の豊かさ、響きの美しさ、そして表面的な効果よりも音楽的な中身と教育的な意味を優先するポリシーである。特にここ数年は初級バンドのために作曲された音楽的内容の豊かな作品にその本領を発揮しており、2015年に出版された《セレナード》Serenadeと2016年の《ソナチネ》Sonatinaは、すぐれた教材として、さらには教材の枠を超えた豊かな内容のコンサート・ピースとして、日本でも注目を集めた。
この《夜のとばりが降りるように》は、以上の作品のいわば続編といえる新作。ゆっくりとした美しい作品で、和声の種類と楽器の重なりのパターンは、初級レベルの曲としては異例なほど多様だ。そのため、シンプルながら非常に変化に富んだ音楽という印象を受ける。音色のバランスを研究して美しいアンサンブルをつくるための、また和声とフレージングを結びつけるための教材として秀逸の1曲。上級のバンドが取り組んでも多くを得ることができるに違いない。
指導のポイント
多くのバンド・メソードや基礎練習曲集に含まれているコラールの応用練習として取り組むとよい。コラールは通常バンド全員で演奏するが、この曲は楽器の組合わせが変化していくので、コラールも各パートひとりずつ、木管のみ、金管のみ、といった少人数でトライし、響きやバランスの変化にバンドのメンバーが関心を向け、自分たちで対応できるようにしておくと効果が上がるだろう。また、指導者がオプショナルのピアノ・パートを弾いてハーモニーを耳に馴染ませ、その変化の美しさを感じ取ってから楽器で演奏する、という練習の進め方もおすすめである。ブレスのしかたや位置について練習の早い段階から指導しておくことも大切だ。
◆ 中心となるパート
木管とホルンを中心にサウンドが組立てられる。特にフルート、クラリネット、アルト・サクソフォーンの役割が大きい。
◆ 主要な楽器の最高音
フルート
トランペット
編成についてのアドバイス
クラリネット、アルト・サクソフォーン、トランペットが2パートずつで、他は各楽器1パートずつ。オーボエは省略可能で、その場合はフルートが2名以上いることが望ましい。クラリネットとアルト・サクソフォーンは2パートに分かれているが、それぞれの1番同士、2番同士が同じ役割をすることが多いので、クラリネットが少なかったり、アルト・サクソフォーンが1名の場合は、クラリネットは全員1番、アルト・サクソフォーンは2番、というように楽器の割り当てを調整してもよいだろう。バスーン、トロンボーン、ユーフォニアムは、2部に分かれた同じパートを演奏するため、やはりバランスを考えて1番/2番の配分を決めたい。
最少の編成は、フルート2、クラリネット2、バス・クラリネットまたはバリトン・サクソフォーン1、アルト・サクソフォーン1、テナー・サクソフォーン1、トランペット2、ホルン1、トロンボーン2またはトロンボーンとユーフォニアム各1、テューバ1、打楽器2(グロッケンシュピール1名とサスペンデッド・シンバル/トライアングル1名)、計15名。ホルンは他の楽器と重なっている部分が多いので、省略しても大きな影響はない。
オプショナルのピアノ・パート(コードネーム付き)があるが、これはフル・スコアを要約した内容で、演奏に必要なパートではないものの、吹奏楽のスコアに不慣れな指導者には役立つだろう。
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セレナード Serenade
ロバート・シェルドン/ Alfred
品番:GYW00116190
ソナチネ Sonatina
ロバート・シェルドン/ Alfred
品番:GYW00122206
いずれもこの《夜のとばりが降りるように》とよく似た美しく教育的な作品