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アルケミー Alchemy
ゲイリー・フェイガン Gary Fagan
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- 出版社
- Alfred
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- Grade
- 1
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- 演奏時間
- 2:30
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- 曲想/ジャンル
- 堂々とした前奏曲風
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- 品番
- GYW00132423
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- 対象
- 小学校~中学校(初級)
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- 用途
- 基本奏法、楽譜の読み方と表現の教材。
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- 演奏に必要な最少人数
- 14
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● 教育的な目的について ●
アタックとリリース、音の長さや形、つながりなど、音を正しく出し、連結させていくことに焦点を当てた、教育的な作品。楽器を手にしていきなり難しい曲に取り組ませるのではなく、音が出るようになったらまずはこのような曲に親しみ、次いで音楽表現に関心を向けていく、という手順で初級者を育てていくのがよいだろう。やさしい曲で音の正しい出し方、つなげ方をよい癖として身につけておくと、レベルの高い曲でもそれほど苦労せずに済む。
作曲者と作品について
以上のようなコンセプトをもとに、きわめて注意深く構成された作品で、最初は4度と5度の積み重ねによる2分音符のコラール風の楽句に始まり、打楽器が刻むリズムに支えられてコラールは三和音が中心となり、続いてそのコラールの和声の上で順次進行による旋律が奏でられる。高音楽器が担当していた旋律を中低音楽器が受け持ったり、和声がリズム的に分割されて音の長さやアーティキュレーションを意識させたり、と学習のヴァリエーションも豊富。臨時記号は一切用いられず、細かい音符は8分音符まで。どの楽器も音域は1オクターヴを超えることはない。新学期のスクール・バンドで新メンバーが取り組むのに好適な1曲である。 曲名は、鉄などの卑金属から金を精錬する「錬金術」の意。初級者の音が、このような曲の取り組みを経てすばらしい音楽に変わっていく、その期待がこのタイトルに込められている。
作曲者フェイガンは初級バンドのためのアイディア豊富な作品を多く書いており、教育者としても活躍している人。ヴァージニア州で永く中学校のバンド・ディレクターを務め、退職後は同州のジェイムズ・マディソン大学で吹奏楽の編曲を教えている。
指導のポイント
すでに述べたように、音の長さや形、つながりにメンバーの注意を払わせたい。2分音符や全音符の伸ばし方、切り方はいいかげんになりやすいので、特に丁寧に指導したいところ。4分音符と8分音符が正確に、均等に演奏できることも重要である。
◆ 中心となるパート
すべてのパートが等しく重要。
◆ 主要な楽器の最高音
トランペット
編成についてのアドバイス
クラリネットとトランペットのみ2パートで、他は各楽器1パート。打楽器は6名要求されているが、スネア・ドラムとグロッケンシュピールの2名のみでもかまわない。演奏可能な編成は、フルート1、クラリネット2、バス・クラリネットまたはバリトン・サクソフォーン1、アルト・サクソフォーン1、テナー・サクソフォーン1、トランペット2、ホルン1、トロンボーン1、ユーフォニアム1、テューバ1、打楽器2、計14名。2番トランペットとホルンは他の楽器と重なっていることが多く、メンバーがいなくとも大きな問題はない。またトロンボーンとユーフォニアムは同じパートを演奏するので、どちらか1種類の楽器があれば大丈夫。したがって、さらに少ない人数(11名程度)の演奏も可能である。
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