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アチーブ・マーチ Achieve (March)
ラリー・クラーク Larry Clark
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- 出版社
- Carl Fischer
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- Grade
- 0.5
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- 演奏時間
- 2:10
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- 曲想/ジャンル
- マーチ
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- 品番
- GYW00133345
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- 対象
- 小学校~中学校(初級)
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- 用途
- 行事。基本奏法とスタイルの理解のための教材。
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- 演奏に必要な最少人数
- 10
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● グレードと教育的な目的について ●
グレード0.5の曲は、楽器を手にした児童・生徒が初めて取り組む作品で、原則として各楽器で使用される音は6個(その調の主音から第6音まで)、音価は全音符、2分音符、4分音符、8分音符まで(打楽器に16分音符が要求されることがある)、転調とテンポの変化はなし、そして教育的なコンセプトが明快であること、というかなり制限された条件のもとで書かれる。この曲はその非常にすぐれた例のひとつ。吹奏楽のレパートリーの要であるマーチの基本的なスタイルと演奏法を学ぶことを目的として作られている。
作曲者と作品について
ラリー・クラーク(1963~)の作品はすでに200曲以上が出版されているが、特に吹奏楽曲と弦楽合奏のためのやさしい作品がアメリカの音楽教育界において高く評価されている。また、20 世紀前半のアメリカを代表するマーチ作曲家ハロルド・ベネット(HaroldBennett 1881-1956 本名はヘンリー・フィルモア)が作曲した教育的な作品を現代のバンドに合わせて校訂・復刻し、その教育的な価値を広く知らしめた功績も大きい。この作品もベネットのやさしいマーチのスタイルを踏襲しており、イントロ~第1マーチ~第2マーチ~トリオ、という型通りの構成をもっている。まだマーチの演奏スタイルに馴染んでいない奏者を想定し、通常は「わざわざ書く必要のないもの」と見なされることの多いスタッカートとアクセントが細かく指示されているのが特徴。スタッカートの指示がない音符もあるので、旋律/伴奏の役割や各場面の音楽的性格によって表現を区別する必要がある。これだけでもよい勉強になるだろう。もちろん教材としてだけでなく、通常の行進曲として活用することもできる。その場合、歩きやすいテンポの設定を心がけたい。
指導のポイント
スタッカートの指示の有無によって表現を区別する必要がある、と書いたが、マーチの8分音符は指示がなくとも短く演奏するのが当たり前なので、この曲でも8分音符にはスタッカートが付けられていない。マーチのスタイルの理解、つまり、楽譜に指示されていなくとも当然やらなければならないことがある、ということを学ばせる上で、この点は指導の重要なポイントとなるだろう。イントロのように全員が同じリズムで演奏する場面と、主旋律、対旋律、伴奏、と役割が分かれる場面があるので、これもマーチの重要な表現のポイントであるアタック、リリース、アーティキュレーションの統一とコントラスト、バランス設計について研究するよい題材にもなる。初級者だけでなく、上級のメンバーにも勉強になるはず。
◆ 中心となるパート
すべてのパートが等しく重要だが、打楽器がスタイルを理解して正確に演奏することが特に大切になる。
◆ 主要な楽器の最高音
トランペット
編成についてのアドバイス
各楽器1パートずつだが、ほぼ四声体で書かれており、クラリネットはフルートまたはトランペットと、テナー・サクソフォーンはホルンと、トロンボーンとユーフォニアムはテューバとほとんど重なっているので、スコアをよく見てバランスを調整すれば管楽器は10名以下でも無理なく演奏できる。打楽器は6名要求されているが、スネア・ドラム、バス・ドラム、シンバルの3名のみでも音楽的には問題ない。
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