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ひとさし指のノクターン~車いすの高校生と東京藝大の挑戦~

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ひとさし指のノクターン~車いすの高校生と東京藝大の挑戦~

「はじめに」より

「障がいのある方々と共にひとつのステージをつくり上げていく日々は、数多くの気づきに満ちていました。
芸術、福祉、教育、科学技術と多岐にわたる領域が融合したプロジェクトは、それぞれが異なる領域についての理解を深める場となり、「障がいと表現」、そして「芸術と科学技術」の可能性を示唆するものとなりました。」
松下 功(東京藝術大学 副学長)

目次

プロローグ 「ピアノが弾きたい!」
第1章 障がいとアーツ~高校生との出会い~
第2章 もうひとつの出会い
第3章 対面

第4章 チーム始動!
第5章 革命が起きた!
第6章 透明人間との共演
第7章 輝く舞台へ

第8章 舞台裏
第9章 未来の技術、未来の音楽
エピローグ 新しい始まり……

  • 価格:1,500円(本体価格)+ 税

商品詳細ページ

- 概要 -

本書は、東京藝術大学が2015年に行った『障がいとアーツ』というイベントで、 肢体不自由のある4人の高校生がステージでピアノを演奏するまでの記録を 書籍にしたものです。 高校生たちは「ピアノが弾きたい!」という強い思いはあるものの、 指が動かずペダルを踏むこともできません。 彼らがステージに立つには、多くのハードルをクリアする必要がありました。 片手で弾くためのテクニックや工夫、メロディに追従して伴奏をつけるという ピアノの演奏追従システム、そして演奏に合わせてペダルを踏む仕組みなど、 東京藝術大学の研究者はヤマハの技術者たちの力を借りながら、 高校生たちの演奏をサポートし、「音楽的」な演奏に導いていきます。

必死に音楽やピアノ、自分と向かい合った高校生たち、 彼らに音楽の楽しさや演奏技術を伝えようとする東京藝術大学や 筑波大学附属桐が丘特別支援学校の指導陣、 また演奏を支援するため研究と工夫を重ねたヤマハの技術者たち、 高校生たちを応援する多くの人々——。
この本では、さまざまな角度から このプロジェクトに関わった人々の苦闘の日々を綴っています。

さらに、ステージまでの日々のなか、プロジェクトに関わった人々は、 それぞれの立場から多くの発見をしていきます。 音楽とは、芸術とは、科学技術とは一体何のためにあるのか? 将来どうあるべきなのか?  「答えの出ない問い」へのひとつの解答が、この本には収められています。

感動の声、続々と届いています

どこを叩いても「嬉しい」という音が溢れ出す、幸せな一冊でした。
「生きることがそのまま表れている」演奏で、「会場全体が何かに圧倒されている」様を語り継いでいくことは、その場にいなかった人をも心震わせる力があると思います。何より、その音に触れることは、聴いた人の人生を拓くスイッチとなり得ると思いました。これぞ、芸術。
障害という「個性」には、その人ごとのかたちがあり、皆さんが取り組んでいることは、ピアノだけにとどまらず、大きく羽根を広げて、羽ばたいていくことでしょう。

(日本テレビキャスター 笛吹雅子)

4人の高校生と先生方、技術者の皆さんの真剣な活動に感銘を受けました。
一方、ご著書内にも記載がありましたように、近い将来、もっと多くの方がこの活動から恩恵を受ける事ができるものと確信いたしました。私は内科医ですので、比較的高齢の方を相手にすることが多いのですが、認知症になっても、半身不随になっても、音楽は心の拠り所になり続けます。我々のロボットと認知症患者の関わりの観察では、言語で全くコミュニケーションのとれない方でも歌うことができますし、全身が硬直している方でも、音楽を聴かせると涙して口を動かそうとします。先生方のこのご研究が、全人類の生活の質に大きく貢献される事を心から祈念しております。

(東京大学大学院医学系研究科・先端臨床医学開発講座長 鈴木淳一)

色々な意味で、この本は私に感慨と刺激をもたらした。
まずは、子を持つ親として、大学生を教える教育者として。本当に叶えたいと思える目標があって、適切なサポートと環境作りができれば、こんなにも人間は成長し、こんなにも大きなことを成し遂げられるものなのか。本人たちはもちろん、サポートした芸大の先生たち、ヤマハの技術者たち、見守った親御さんたちにも拍手を送りたい。
そして、1クラシックファンとしては、ともすると通り過ぎるばかりになってしまう音楽の素晴らしさを再確認した。いや、それ以上に、音楽は、だから生まれて、だから人の心を捉えるのだと、初めてわかった気さえする。ノクターンもショパンも音楽も、さらに好きになった。

(フリーアナウンサー/東洋学園大学准教授 八塩圭子)

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